2021年9月も半ばとなり、ここにきて新型コロナウイルスの新規感染者数が少しずつ、静岡県のみならず全国的に減少してきているイメージです。
ですがまださすがに油断はできないと、緊急事態宣言も9月30日まで延長されたわけですから、ここで気を抜いたりせず、もう完全に大丈夫だと、公的な機関から宣言が出されるまでは一定の我慢をしなくてはならなさそうです。
それで、静岡県においては飲食店等向けのまん延防止等重点措置に伴う自粛等の要請に対する協力金、さらに8月の20日からの緊急事態宣言に伴う同じく協力金について、既に申請が始まっている状態です↓
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協力金の支給対象に該当する事業者の方は、やはり金額の多いこちらを忘れずに申請すべきであり、当然それに必要となる「ふじの国安心安全認証」も、まだであれば申請を、といったところです。
ですが今回の協力金の対象とならない他の事業者の方、それも国の「月次支援金」の対象にさえ引っ掛からなかった場合、一体どんな公的な補償があるのか?
今回は(静岡県限定ですが)、協力金の対象ではなく、国の月次支援金にも引っ掛からなかった事業者に対して始まる予定の、「応援金」について書いていきます…
Contents
コロナのせいで8月・9月の売上が落ち込んだものの、50%というほどではない場合…
まずこちらの「応援金」についてですが、静岡県内で事業を営んでいる中小法人・個人事業者の方で、原則今年2021年の8月と9月について、売上高が前年又は前々年(2020年又は2019年)と比較して、「50%は下落していないものの、30%以上は落ち込んでいる」という場合で、一定の要件に該当する方が対象となります。
ではその一定の要件とは何でしょうか? これについては2つ↓
- 飲食店への休業・時短要請の影響を受けているもの
- 外出自粛等の影響を受けているもの
この2つ、どちらもではなく「1又は2」に該当していれば対象となりますので、ここは読み間違いに注意して下さい。なお、これは「一般枠」での話であって「酒類事業者枠」については少し特殊であるため、それはまた後段で。
とりあえず給付の要件をまとめておくと(一般枠)↓
- 静岡県内に本店又は主たる事務所を置く中小法人・個人事業者
- 今年8月か9月、またはそのどちらもの売上高が前年又は前々年同月比で30%以上50%未満減少
- 飲食店への休業・時短要請の影響を受けているもの又は外出自粛等の影響を受けているもの
- 当然ですが、今後も事業を継続するつもりであること
なお、県のHPで公表されていた「給付イメージ」的なものが分かり易かったため、以下に貼り付けておきます(一般枠の中小法人等である場合です)↓
ということです、ちなみに静岡県のHPで「応援金特設サイト」が開設されていましたので、申請される方は確実にそちらも確認しておいて下さい。
また、「申請要綱」は別にありますので、こちらもどうか忘れずに確認してから申請を…
申請が始まるのはいつ頃?
それで、給付の対象となる月は2021年の8月と9月、つまり静岡県がまん延防止等重点措置及び緊急事態宣言となった期間についてなのですが、ではそれについて申請すべき期間はいつなのでしょう?
こちらも県のHPで公表されたばかり(14日の午後に出てきました)でして、まだ確認していないという方も多いでしょうから、念のためここに静岡県HPから抜粋したものを貼り付けておきます↓
はい、8月分については郵送のみで9月15日から、オンラインは…少し準備の方が間に合っていないようですね。ですが面倒なので9月分も同じタイミングで、という方にとってはちょうどいい開始時期かも知れません。
とにかく現状(2021年9月15日現在)では「郵送のみ受付」ということで、一応郵送のための宛先をいくつか並べたものを用意しておきました、よろしかったらお使い下さい↓
とりあえず、8月分を先に申請しておきたいという場合には上記の送付先へ、オンラインの方が…という場合には、今のところ申請フォームが完成し、公表されるまで待つという流れです…
給付額について
なお、応援金の給付額は申請者の属性によって大きく変わってきます。「一般枠」で申請する場合には中小法人等で最大10万円、個人事業者の方は最大5万円(計算による)ということになっているのですが、「酒類事業者枠」の場合はまた特殊です。
「酒類事業者枠」については、給付金額についてもまた後段で触れていくことにします。ということでここでは「一般枠」の場合の話だと考えて下さい。
考えて下さいといっても、給付額を算定するのは非常に簡単で、既に公表されている、そして申請にあたっての必要書類となっている「応援金申請額計算書」に、直接今年8月(9月)の売上高と、比較対象年の8月(9月)の売上高を入力するのみです。
ちなみにこんな感じの画面↓
こちら実際にはExcelファイルとなっていては県HPの応援金特設サイト「申請手続き」のページからダウンロード可能です。そしてダウンロードしたものにそれぞれの売上高を入力すれば、自動で申請すべき金額が算定されることになります。
なお、ここに貼ったサンプルではわからないのですが、Excelファイルをダウンロードした際、左上の青い部分が「中小法人用」になっているものかと思います。
個人事業者として申請する場合には、ここを切り替えて入力しないと正確な申請額が出ません(上限が10万円になってしまう)ため、必ず画面下で操作して、個人事業者用のタブに切り替えなくてはなりません↓
ここを間違えたまま、つまり応援金の金額が間違ったまま提出してしまうと、後でややこしいことになりかねません。中小法人等なのか個人なのか、しっかり確認し、確実に該当している方のタブを使うよう意識しておいて下さい。
必要書類と保存書類について
次に、この静岡県の中小企業等応援金について、申請に必要となる書類と、それから申請の際には提出する必要がないものの、確実に保存しておかなくてはならない書類(資料)についてです。
申請において提出すべき書類
まずは申請において提出すべき書類なのですが、こちらも公開されているものの中から一覧表を抜粋して参照したいと思います↓
はい、最大で10種類あるようですが、場合によっては提出が省略できるものも、特に「No5」でしょうか、直近の確定申告書は必要ではあるものの、「No6」で同じものを添付する場合には要らないと、つまり同じものを2つ提出する必要はないということですね。
その他は申請書そのものや先程の計算書、それに2021年8月(9月)の売上台帳などの写しとなっており、新型コロナウイルスに関係する他の給付金等とあまり変わるところはありません。
取引先情報は…
しかしその中でひとつ、やはり気になるのが「取引先情報」を添付しなくてはならないということでしょう。この情報、国の方の一時支援金や月次支援金でもかなり混乱を招いたと思うのですが…とにかく添付が必要です。
それで、具体的にどういう分類で、どういう感じで取引先情報を表示していくのかについてですが…まずはその書類のフォーマットを見ておきましょう↓
まず1枚目にきているのが自社(自分)の情報と、それからチェックボックスが6つ、この6つはそれぞれ「 飲食店への休業・時短要請の影響を受けているもの」と「外出自粛等の影響を受けているもの 」で2つと3つに分かれ、自社(自分)がどの項目に該当するのかを示すものになります。
そして2枚目、ここでは取引先に関する情報を入力していくことになります。説明書きを読むと、ひとつは「③のみにチェックした場合には記載不要」との文字が目に入ります。
この「③」は個人の顧客のみに対して販売を行っているような業態の方が該当し、その場合には特に取引先の情報は必要ないということなのでしょう。
もちろんその他の場所にチェックが入った方は関係している取引先について入力が必要です。なお、取引先の法人番号については国税庁の法人番号公表サイトから検索することができます↓
この書類に関しては、調べた数字を正確に、しかも場合によっては同じものを何度も記入しなくてはなりません。ミスが出易い場所かと思いますので、繰り返しの確認で、後々の修正再提出等、面倒なことになるのを避けるよう心掛けておくべきでしょう。
保存しておくべき書類
それから申請時には提出を要しないものの、応援金を申請する場合には確実に保存しておかなくてはならない書類についてです。
基本的にそういうことはないと存じておりますが、万が一「要件に該当していないのに申請してしまった」、「それで給付を受けてしまった」と疑われる場合の調査に備えて、該当した要件に応じた一定のものを「7年間」保存しておく必要があります。
これも県の資料、申請要綱(pdfファイル)から抜粋したものを貼り付けておきます↓
かなりごちゃごちゃとかかれている感じの資料ですが、やはり重要なのは「帳簿と通帳」、元々確定申告をしている以上、残されているものであるはずですが、念のため、取り出しやすい場所に引き出しておくべきでしょう。
その他、商品や店舗の写真が必要であったりしますが、自社(自分)がどの条件に該当したゆえ申請したのか、そのことをしっかり把握した上で、適切な証拠を保存しておかなくてはなりません…
「酒類事業者枠」は少し特殊です
最後になりましたが、今回の静岡県内における「中小企業等応援金」の中で、「一般枠」とは分けて、少し特殊な感じになっている「酒類事業者枠」について、簡単にですが触れておこうと思います。
まず、応援金の対象となる要件として、「酒類の提供停止を伴う営業時間短縮要請等に応じた飲食店と直接・間接の取引があること」が挙げられています。また、酒類の製造免許か販売免許を持っている必要もあるようですが、そちらは大丈夫でしょう。
そして「酒類事業者枠」において、「一般枠」と大きく異なるのが給付の内容です。まずは県のHPから、最初の方で「一般枠」のみ抜粋した給付イメージを、今度はこちらで貼り付けておきます(中小法人等の場合)↓
上記の図を見ていただけるとわかると思いますが、まず通常の応援金、即ち「売上30%以上50%未満減」の場合の金額が、一般枠と比べて倍になっています。
「酒類事業者枠」で一般枠と同じ状況の場合、「中小法人等:上限20万円・個人事業者:上限10万円」という給付内容となっており、さらに「50%以上減」、つまり国の一時支援金の対象となる事業者に対しても、「上乗せ」となる応援金の支給があるということです。
その「上乗せ」となる金額については、「売上50%以上減~70%未満減」、「70%以上減~90%未満減」、そして「90%以上減」と、3つの段階に分かれています。
ですので一般枠同様、「計算書」で正確な金額を割り出し、申請書にはそれに基づいた金額を記載することになります。
また、「酒類事業者枠」においては、「対象月(8月、9月)及び前月の売上が、比較月の売上と比較して2か月連続で15%以上減少したこと」という要件もあります。こちらで申請する場合には、提出すべき書類のうち、売上減の証拠となる帳簿につき、若干必要なものが異なってきますので、そこには注意が必要です。
以下、「酒類事業者枠」についての詳細が記載されたページのリンクを貼っていおきますので、実際に申請される場合には必ずそちらもご確認下さい↓
静岡県HP「中小企業等応援金(酒類事業者枠)」(pdfファイル)
なお、「酒類事業者枠」で申請する場合には、添付が必要な「応援金申請額計算書」も、一般枠のものとは異なる点にも注意が必要です↓
ということで、長くなってしまいましたがこのぐらいにしておきます。応援金に限らず、新型コロナウイルス関連の動きに関しては、静岡県中心で随時確認し、新しい情報があれば事務所ブログで触れていきたいと思います…
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