入管での問題が多いようですが…

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先日ニュースを見ていると、以前サッカーの試合のために来日し、そこで難民認定を申請をするという決断をしたミャンマー代表の方について、無事に難民としての認定が下りたとのニュースを発見しました.

この件に関しては以前から気になっていたこともあり、時折流れる関連ニュースを確認していたのですが、今回無事に希望が通ったとのことで、ご本人もホッとしているのではないかと思います。

一応、難民認定が正式に降りたことを報じたYahooニュースのリンクを貼っておきます↓

テレ朝ニュース ミャンマーのサッカー代表選手 正式に難民認定(リンク先はYahooニュース)

それで、この方については無事に助かることができ、日本でサッカーも続けられるという、大変喜ばしいニュースだと感じているのですが(様々な意見があると思います)、これに関連して、というか出入国、在留に関しては他にも問題となっていることが多く、中には取り返しのつかない結果となってしまったものもあります…

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名古屋の出入国在留管理局がやたらと叩かれているのだが…

ここのところ、名古屋の出入国在留管理局で死亡したスリランカの女性の方についての報道が頻繁になされています。ついこの間はおよそ15,000枚にも上る文書が、ほぼ黒塗りの状態で開示されたとして大騒ぎになっていたことが記憶に新しいと思います。

この件は入管職員によって当該亡くなってしまった方が不当な扱いを受けていたのではないか、収容の際にとても看過できないような人権侵害があったのではないかという点で話題になりました。これについては日々新たな情報が報道機関より発信され、SNS上でも職員の態度、入管の対応などが批判の的となっているようです。

なお、当該事案については調査がなされ、以下のような文書が出入国在留管理庁から公表されています↓

参考 令和3年3月6日の名古屋出入国在留管理局被収容者死亡事案に関する調査報告書(pdfファイル)

全部で100頁近くもある報告書ですが、名古屋局において認められたとする反省点や改善点については最後、94頁からの記述で確認することができます。主に職員の意識改革、医療体制について、仮放免の判断の適正化などが挙げられていました。

今回の件、どうも「監視・監督する側とされる側」という立場が出来上がっていることによって、人間が他の人間の行動等を管理する上で絶対に忘れてはいけないような部分が抜け落ちてしまっていたのではないかと感じるのですが、これからどのようにして、どう改善していくのか、少し目を通しておくと良いかも知れません。

職員の対応以外にも問題はなかったのか?

それで、この件に関して報道などによって知ることができる内容は、先程も触れた職員による対応の問題や、日本は難民認定率が低く、繰り返し申請している方の長期収容が…といった内容であり、ほぼ全てが政府、出入国在留管理庁に対して批判的なものです。

ですがこれに関してはもうひとつ、先程リンクを貼った報告書のだいたい55頁辺りから記載されている内容が気になります。

どうやらこの亡くなってしまった方、当初ご本人は帰国したいという意思表示をしていたにも拘らず、支援者との面談があった後に翻意し、日本への滞在を希望して仮放免の申請をしたとのこと。

詳しくは実際に報告書を読んで頂けるとわかると思いますが、もしここで支援者の団体が接触しなかったら、帰国したいと表明している被害者を日本に引き留めるようなことをしなければ、この事件の結果は今と異なるものになっていたのではないかと考えます。

もちろん、支援者団体としては「本当は日本に滞在したいのであろうから、ここで力を貸してどうにかしてやりたい」という意識があったのかも知れません。

しかし今回報道されているような最悪の結果を招いてしまった、その原因のひとつとなってしまったのではないかと考えられる以上、出入国在留管理庁側だけでなく、様々な理由で不法滞在となり、収容されてしまっている外国の方々を支援する団体等についても、その在り方をもう一度考え直してみるべきではないかと感じます。

ニュースサイト、アプリで流れる記事を見ていると、今回の件に関して上記のことは全く触れられていないように思えますし、それを完全に無視して名古屋入管の落ち度のみを挙げて責め立てているものばかりです。

ここはもう少し様々な角度から、どこにどのような問題があってこのような結果になってしまったのかを考えるべきではないか、責任の追及等は後で考えることとして、まずは二度とこういった事態にならぬよう、手立てを考えていくべきだと思うのですが…

とにかく今ある問題、特に命に係わる問題には適切な対処を

また、現状で大きく取り上げられ、話題になっているもの以外についても、出入国、在留に関する問題は数多く発生しているようで、時折「関連ニュース」などとして目に入り、興味を持って読んでみることがあります。

直近では以下のような記事に触れ、色々と考えさせられたところでもあります↓

毎日新聞 「もう時間がない。治療のため在留資格を」日系ペルー人家族の訴え(リンク先はYahooニュース)

この件も読んで頂ければわかると思いますが、もちろん在留資格を喪失し、仮放免とはなったものの、一度は不法滞在者として収容されてしまったという事例です。

ですが明らかに命が懸かっている状況、すい臓がんとのことで、このままでは本当に死亡してしまうというかなり追い詰められた状況にあり、それゆえどうにか在留資格を、といった要請をしている状況のようですね。

そしてこういった健康に関するケースは報道されていないだけで、大なり小なりはあると思いますが、かなり頻繁に起こっているのではないでしょうか?

どこの国の人間であっても、どのような社会的状況に置かれている人間に対しても、普通に考えて最大限の医療はするべきだと思いますし、この際様々な制約は無視して、可能な限り助かる可能性の高い方向へ動いた方が良いのでは?と思います。たとえそれが杞憂に終わった、本当はたいしたことがなかったというようなケースであってもです。

後に、また取り返しのつかない事態になってから「こうすれば良かった」とか、「こうなったのは○○の責任だ」などということにならぬよう、まずは最大限どうにかして健康を維持していただくべきです。

そして、完全にどうにかなった先でその対応が正しかったのかどうか、今後もそうしていくべきなのかどうかなど、検証をしていく方が、本当は助かるはずだったのに…というような結果を減らすことになるのでは?そう思います。

ですので、今後似たようなケース、もしほんの少しでも「これは危険なのでは?」という予兆等があった場合、また医療を受けるべきではあるが制度上受けられない場合などに、どうにか助かる方向へ進むような制度作り、その運用が必要になるのではないでしょうか。

行政書士おぎ事務所

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