難民認定率の改善?

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1年遅れの東京オリンピックが開催され、各種競技で金メダル、銀メダルと、日本の選手による快挙が伝えられる今日この頃ですが、気温も高まり、スポーツをするにはかなり酷な気候になりつつあることから、選手の方々が存分にパフォーマンスを発揮できるのかという点について、非常に心配な限りです。

さて、そんなオリンピックですが、先日事務所ブログの記事で取り上げたウガンダ選手の件(結局帰国させられたようですが)に続き、今度はベラルーシの選手ですか、また帰国させられそうだとのことで、しかも今度は何だかわけのわからない理由で無理矢理、という状況のようです↓

jiji.com 「コーチ批判で帰国命令」 ベラルーシ選手、保護訴え 東京五輪(Yahooニュース)

一部ではこの選手の方が過去に政権を批判していた、という報道も出ているようですが、おそらくこのまま返してしまえばろくでもないことになるかと。

本人も亡命を希望しておられるようですし、少なくとも「ベラルーシ以外の国」へ移動して頂くという方法によって、さらにその後も国際的に保護されることで、どうにか弾圧の対象とならないようにしなくてはなりません。

この選手の方の祖国であるベラルーシも、独裁政権として度々話題に上がる国家ですし…

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このケースは日本でも難民認定できそうなケース

それで、今回のベラルーシ選手の件なのですが、今のところ本人の口から日本で難民申請したいという言葉が出ているという話はありません。どうやら日本ではない、ヨーロッパの国へ行きたいということのようです。

ですが日本の警察による保護を受け、亡命を希望しているということですから、日本における対応はどうなるのでしょうか?このまま関係各所と協議して出国?となるのかそうでないのか…

今書いていてニュースが出ましたが、どうやらポーランド行きが有力なようです↓

jiji.com ポーランド亡命申請か ベラルーシ選手

とのことで今回は日本で、ということにはならないのかも知れませんが、このケース、やはり本国に帰れば危険な目に遭う可能性が非常に高く、日本の制度でも十分に難民申請が通るものではないでしょうか?

日本が加入している難民条約に照らしても難民であるための定義に十分に該当していますし、もし申請があれば難民として認定、難民旅行証明書を受けられる立場にありそうです。

とにかく、この選手が一刻も早く本国の弾圧から逃れられるよう、政府やその他関係者、もちろんオリンピック委員会の方にも最善の手を尽くして頂きたいところです。

UNHCRと協力するとは言うが…

この難民の件に関してもうひとつ、直近でニュースを見かけています、内容は日本の難民認定率の低さに関するもので、オリンピックに関係ない、難民問題に関する記事でした↓

読売新聞 1%の難民認定率、改善へ入管庁とUNHCRが協力覚書で連携強化(Yahooニュース)

もちろんこういった機関の要請を全て丸呑み、ハイハイと聞いていれば大変なことになりますし、より大きな問題を背負わされることになるのは日本です。

困ってしまうのは日本国民、さらには真っ当な理由で難民申請をし、認められて日本に滞在している外国人の方でしょう。協力するとはいえ、日本側の主張もある程度認めてもらえるような、アドバイスを受ける程度の関係に留めてほしいところです。

そして、認定率が低いとはいえ、日本でも審査によって「難民と認定された」又はそれに準ずる対応を受けた方はゼロではありません↓

出入国在留管理庁HP 令和2年における難民認定者数等について

しっかりとした審査をし、それにより難民と認定されている、つまり本当に難民たる資格を持っている外国の方が居られて、それが認定されているわけですから、現状の日本がやたらに厳しい基準で、無理矢理に難民認定を出さないようにしている、というようなことはないはずです。

もちろん数字だけでは本当に全てが上手くいっている、保護が必要であったのに見落とした、というケースがゼロであったとは言い切れませんし、検証が必要な部分もあると思います。そう考えると外部の機関に状況を見せるというのは良いことかも知れませんね。

当然、最終的な決定は日本の意志で、日本がどうすべきか決めた内容を優先すべきでしょうが…

難民認定率が低いこと、そこには大きな問題があるのでは?

最後に以前に難民や不法滞在の問題を政府側、管理する側の観点から見て書いたブログ記事がありましたが、難民認定率の低さというのは、やはりそこでも問題として挙がっていたような内容です。

日本における難民認定率は確かに低いでしょうが、その分、明らかに難民には該当しないにもかかわらず、むやみやたらに申請をしているケースが多いのが原因であると指摘し、さらにそのせいで審査も長期化してしまい、本当に保護が必要な方々を迅速に保護することができなくなっている…

というような感じの主張をしている出入国在留管理庁(下記資料の作成当時は入国管理局)の見解ですが、これは正しいのではないかと考えています、もちろん異論はあるでしょうが↓

旧法務省入国管理局 難⺠認定制度の運⽤の⾒直しの概要(pdf)

とにかく、現行の制度では問題も多く、処理期間も非常に長くなってしまうという問題があるようですね。

今後、難民認定制度が変わっていくにつれて、より良い、迅速な認定ができるようなものとなり、おかしなものは即排除、保護が必要なケースを漏れなく見つけ出し、適切な対応をしていくことが可能な国になっていくことを期待します…

行政書士おぎ事務所

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